Letter

進化生物学:mid-developmental transitionと動物のボディープランの進化

Nature 531, 7596 doi: 10.1038/nature16994

動物は、ボディープランが明確に異なるという考え方に基づいて約35の門(phylum)に分類されている。形態解析と分子解析から、一部の門では、ファイロティピック段階として知られる発生中期の段階が種の間で進化的に保存されていることが明らかになっている。これらの解析結果は門の存在を示す証拠となるが、門は客観的な定義がなく、動物の恣意的分類に基づいたものであることから、批判も受けてきた。本研究では、それぞれ異なる門に分類されていて生活史や胚の形態もさまざまな10種の動物について、発生トランスクリプトームを比較した。その結果、10種全てにおいて、発生は保存された遺伝子発現の前期と後期という2つの段階からなることが分かった。これらの段階は、分岐的なmid-developmental transition(発生中期の移行)で連結しており、ここでは種特異的な一連のシグナル伝達経路や転写因子が使われる。このmid-developmental transitionは、10の門のうち3つですでに確認されているファイロティピック段階と重なることから、この移行の間に働く転写回路やシグナル伝達機構は、系統的ボディープランを定義するために極めて重要であり、mid-developmental transitionは他の門においてもファイロティピック段階を明らかにするのに用いられる可能性が示唆される。今回の観察結果と、門内での発生中期の保存に関する過去の報告から、門とは、mid-developmental transitionにおける遺伝子発現が互いの間では強く保存されているがそれ以外の種とは分岐しているような種の集合である、と定義できるのではないかと我々は考える。

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