Letter

気候科学:全球の気候強制に対する中国の排出の寄与

Nature 531, 7594 doi: 10.1038/nature17165

全球の放射強制力に対する各国の寄与についての知識は、気候変動に関する国際連合枠組条約で合意に達した「共通だが差異のある責任」を履行するのに重要である。中国の経済は、過去30年間にわたって急速に発展し、同時に温室効果ガス、オゾン前駆物質、エアロゾルの排出量が増加しているが、これに伴う放射強制力の大きさはまだよく分かっていない。本論文では、全球生物地球化学–気候結合モデルと化学輸送モデルを用いて、十分に混合した温室効果ガス、寿命の短い大気中の気候強制要因、土地利用によって生じる地域的な地表アルベドの変化に起因する、全球の放射強制力に対する中国の現在の寄与を定量化する。我々は、中国の寄与は、現在の全球の放射強制力の10 ± 4%であることを見いだした。全球放射強制力の正の(温暖化)成分に対する中国の相対的な寄与は12 ± 2%で、主に十分に混合した温室効果ガスと黒色炭素エアロゾルによって生じている。負の(寒冷化)成分に対する相対的な寄与は15 ± 6%で、硫酸塩エアロゾルと硝酸塩エアロゾルの影響が支配的である。中国の最大の寄与は、化石燃料の燃焼によるCO2が0.16 ± 0.02 W m−2、CH4が0.13 ± 0.05 W m−2、硫酸塩エアロゾルが−0.11 ± 0.05 W m−2、黒色炭素エアロゾルが0.09 ± 0.06 W m−2である。空気の質を改善するという中国の最終目標によって、今後数年のうちに放射強制力が変化するであろう。ただし、十分に混合した温室効果ガスと黒色炭素による放射強制力をより大きく減少させて相殺しなければ、二酸化硫黄の放出量削減によって、将来の温暖化が加速されると思われる。

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