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電気化学:触媒で修飾した光アノードを最適化するためのサブパーティクル反応と光電流のマッピング

Nature 530, 7588 doi: 10.1038/nature16534

水を光電気化学的に水素と酸素に分解することは、太陽エネルギーを燃料に変換する有望な技術である。主な課題は、光生成正孔で効率よく水を酸化できるようにすることであり、そのためには一般的に、光アノードを酸素発生触媒(OEC)で修飾して、光電流を増加させ開始電位を低下させる必要がある。しかし、過剰なOEC材料は光吸収を妨げ、光アノード性能を低下させる可能性があるため、OECの堆積を慎重に制御しなければならない。だが、OEC堆積のターゲットとする場合、どの半導体表面部位が最適な改良をもたらすのか、また水の酸化を触媒する部位は競合する光生成電子との電荷キャリア再結合にも寄与するのかどうか、よく分かっていない。特に短い電荷キャリア輸送距離の恩恵を受けるナノ構造光アノードの場合、表面の不均一性によってこうした不確かさが悪化する。今回我々は、空間分解能が約30 nm、時間分解能が約15ミリ秒で、電荷キャリア選択的に機能する超解像イメージング技術を用いて、単一の酸化チタンナノロッドの電子駆動光電極触媒活性と正孔駆動光電極触媒活性をマッピングした。我々はまた、サブパーティクル分解能(約390 nm)で水の酸化に伴う光電流をマッピングし、水の酸化に対して最も活性の高い部位は、電荷キャリア再結合にとっても最も重要な部位であることを見いだした。得られた活性マップを指針としてOECを部位選択的に堆積させたところ、サブパーティクルレベルでは光電流効率が向上するにつれて開始電位が低下するという相関はある(逆の相関もある)ものの、所定のナノロッドの総合的な性能は向上した。さらに、光電流増加に最適な触媒堆積部位は活性がより低い部位であり、開始電位低下に最適な触媒堆積部位は開始電位がより高い部位であった。つまり、最適な触媒堆積状態は、一般的な堆積条件で得られる堆積状態とは逆である。今回の知見によって、触媒改良型光電極を合理的に設計するために、活性に基づく戦略の提案が可能になる。今回の測定はさまざまな半導体材料や触媒材料を対象に行うことができるので、こうした戦略は広く適用できると思われる。

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