固体地球科学:古地球磁場強度の変動が示す中原生代の内核形成
Nature 526, 7572 doi: 10.1038/nature15523
地球内核は、その表面で液体の鉄が固化することで成長している。地球史においてこの過程が始まった時点は、地球の熱的進化における重大な変化を示している。最近の計算機による研究や実験的な研究で得られた地球内核の熱伝導率は、大きく異なっているため、内核が形成された時期の見積もりは5億年前以内から20億年近く前までと幅がある。内核が形成された時期が新しい(熱伝導率が高い)とすると、初期地球において高い外核温度が必要となり、熱的進化モデルが複雑になる。核の形成によって異なる対流レジームがもたらされ、さまざまな磁場構造が生じた可能性があり、観測可能な信号が古地磁気記録に生成されて、内核形成時期の直接推定が可能になる。こうした信号を探索するこれまでの研究が進んでいないのは、古地磁気強度測定が少なく、信頼性を評価する有効な手段がなく、地磁気変動の時間スケールが短いためである。本論文では、新しい信頼性基準を用いて選択された先カンブリア代の古地磁気強度測定の拡張されたデータベースから得られた結果を検証する。今回の解析は、時間平均した先カンブリア代の磁場は双極子性が支配的であったことを強度に基づいて裏付けており、これは大陸の古地球磁場の再構築のために重要な必要条件となる。さらに我々は、地球磁場強度の超長期変動の存在を示す確固たる証拠も提示する。記録に見られる最も明瞭でロバストな変化は、15億~10億年前に起こったと観測される平均磁場強度と磁場変動の増大である。この観測結果は、この期間に内核形成が起きたとすると最も容易に説明され、このことは、核の熱伝導率がさほど高くない値であることの裏付けになると思われ、単純な地球の熱的進化モデルを支持している。

