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構造生物学:アンタゴニストであるストリキニーネと結合したヒトグリシン受容体α3の結晶構造
Nature 526, 7572 doi: 10.1038/nature14972
システイン(Cys)ループ型受容体ファミリーの神経伝達物質依存性イオンチャネルは、神経系全体にわたる迅速な神経伝達に不可欠のメディエーターであり、多くの神経障害に関わっている。原核生物、真核生物のシステインループ型受容体についてこれまでに得られているX線構造からは、アゴニストの結合、それに続くイオンチャネルの開口、またチャネル活性化機構について多くの手掛かりが得られているが、アンタゴニストによる不活性化機構はまだ解明されていない。本論文では、ホモ五量体であるヒトグリシン受容体α3について、高親和性・高特異性アンタゴニストであるストリキニーネと複合体を形成した状態の分解能3.0 ÅのX線構造を報告する。この構造から、アンタゴニストの分子認識の詳細を調べることができる。これまでに得られた構造との比較から、アンタゴニストが誘導するシステインループ型受容体群の不活性化機構、すなわち細胞外ドメインにあるオルソステリック結合部位が広がり、それに連動して膜貫通ドメインにあるイオン通過孔が閉じるという機構が明らかになった。

