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分子生物学:インテグレーターはエンハンサーRNAの生合成を仲介する
Nature 525, 7569 doi: 10.1038/nature14906
インテグレーター(Integrator)は多数のサブユニットからなる複合体で、RNAポリメラーゼII(RNAPII)のカルボキシ末端ドメイン(CTD)に安定的に結合している。インテグレーターには主要な触媒機能となるRNAエンドヌクレアーゼ活性が備わっていて、これはウリジル酸の多い非ポリアデニル化RNAPII依存性核内低分子RNA遺伝子の3′末端プロセシングに必要とされる。今回我々は、後生動物の遺伝子発現の組織特異的および時間特異的な調節に関わっている遠位調節エレメント(エンハンサー)からの転写産物生合成へのインテグレーターの必要性を検証した。インテグレーターは、刺激に依存してエンハンサーやスーパーエンハンサーに誘導される。インテグレーターのサブユニットが機能を失うと、エンハンサーRNA(eRNA)のシグナルに依存した誘導が起こらなくなり、刺激により誘発されるエンハンサー–プロモーターのクロマチンループ形成も起こらなくなる。グローバル核ランオン(GRO)分析とRNAPIIプロファイリングによって、eRNAの転写終結に結び付く一次転写産物の3′末端切断に、インテグレーターが役割を担うことが明らかになった。インテグレーターがないとeRNAはRNAPIIに結合したままになり、eRNA一次転写産物が蓄積する。特に注目したいのは、eRNA誘導と遺伝子発現の反応性にインテグレーター複合体の触媒活性が必要なことである。インテグレーターは、後生動物でeRNA生合成とエンハンサー機能に役割を果たしていると我々は考えている。

