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がん:PIK3CAH1047Rは多能性かつ多系譜の乳腺腫瘍を誘導する

Nature 525, 7567 doi: 10.1038/nature14669

成体マウスの乳腺上皮は、内側の管腔細胞層と外側の基底細胞層を形成する自己維持性の細胞系譜と、その増殖と再生能に寄与する幹/前駆細胞を含んでいる。乳がんの生物学的特性の主要な問題の1つは、特定の乳腺細胞系譜におけるゲノム損傷が腫瘍の不均一性とプログレッションに与える影響である。起源となったがん細胞の運命転換に形質転換事象が与える影響と、腫瘍の不均一性に対する形質転換の関与については、ほとんど分かっていない。我々はこれまでに、in situでの遺伝的系譜追跡と限界希釈移植を用い、ヒト乳がんで見られる最も頻度の高い変異の1つであるPIK3CAH1047Rが、乳腺での腫瘍形成において多能性を誘導する能力を持つことを明らかにしている。本研究では、成体マウスの乳腺において、細胞系譜が拘束された基底層のLgr5陽性細胞と管腔層のケラチン8陽性細胞でPIK3CAH1047Rを発現させると、細胞脱分化を引き起こして多能性幹細胞様の状態を誘導することを明らかにし、これが不均一性の多系譜からなる乳腺腫瘍の形成に関わる機構であることを示唆する。さらに我々は、起源の腫瘍細胞が、悪性乳腺腫瘍の発生頻度に影響することを示す。以上から、腫瘍化以前の乳腺における乳腺細胞運命に対する、PIK3CAH1047Rの重要な影響の1つが明確になり、PIK3CAH1047R腫瘍の起源となった細胞が、それらの悪性度を決めることが分かり、これらによって腫瘍の不均一性とアグレッシブさの基盤となる機構が明らかになった。

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