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神経変性:異なったα-シヌクレイン株の局所的および全身的投与後に異なったシヌクレイノパチーが引き起こされる

Nature 522, 7556 doi: 10.1038/nature14547

誤って折りたたまれたタンパク質の凝集体は、種々の特徴がオーバーラップする一連の神経変性疾患群に見られるが、タンパク質成分および冒される脳領域に違いがある。パーキンソン病やレヴィー小体認知症、多系統萎縮症のようなシヌクレイノパチーに特徴的な分子は、α-シヌクレイン(α-SYN)を多く含んだメガダルトン級の大きさの沈着物で、1つの分子による現象が複数の異なった表現型の疾患を引き起こすことが示唆される。多系統萎縮症ではグリアにα-SYNの繊維状沈着物が顕著に見られ、パーキンソン病とレヴィー小体認知症ではニューロンにα-SYNを含む封入体が見られる。α-SYNに「株」、すなわち構造的特徴の異なる凝集体があるという発見によって、シヌクレイノパチーに見られる異なった臨床病理学的性質は、この株の違いで説明できるかもしれないという仮説が出されている。今回我々は、α-SYN株のコンホメーションとシード形成傾向が、病理組織学的、行動学的表現型の違いに結び付くことを明らかにする。構造が詳しく分かっているα-SYN凝集体(オリゴマー、リボン、原繊維)をラットの脳に注入して、その特徴を調べた。すると、in vivoで、α-SYN株が増殖することが分かった。原繊維は主要な毒性株のようであり、進行性の運動障害と細胞死を引き起こす。一方、リボンは病理組織学的にこれとは別の、パーキンソン病や多系統萎縮症で見られるような表現型を引き起こす。さらに、α-SYN凝集体は血液脳関門を通過し、静脈内注射後に中枢神経系へと分布することが明らかになった。これらの結果が示すように、異なったα-SYN株は異なったシード形成能を持ち、株特異的な病的状態および神経毒性表現型を引き起こす。

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