細胞生物学:受容体を介した選択的オートファジーが小胞体と核を分解する
Nature 522, 7556 doi: 10.1038/nature14506
マクロオートファジー(以降はオートファジーとする)は、細胞内のさまざまな成分を分解して細胞の多様な機能を調節しており、ヒトのいくつかの病気にも密接に関わっている。選択的オートファジーでは、受容体タンパク質が分解すべき標的を識別して二重膜で囲まれたオートファゴソームと呼ばれる小胞へ誘導・隔離し、オートファゴソームがそれらをリソソームや液胞へと運び込む。最近の研究によって、選択的オートファジーが、ミトコンドリアやペルオキシソームなどの一部の細胞小器官の品質/数量管理に関わっていることが明らかになっているが、この過程が細胞小器官の恒常性維持にどの程度幅広く関与しているのかについては不明であった。本論文では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)での小胞体と核の選択的オートファジーについて報告する。我々は、新発見の2つのタンパク質Atg39、Atg40がこれらの経路に特異的な受容体であることを突き止めた。Atg39は核辺縁の小胞体(すなわち核膜)に局在し、核の一部のオートファゴソームへの取り込みを誘導する。Atg40は細胞膜近傍の小胞体と細胞質の小胞体に他より多く存在し、これらの小胞体の一部をオートファゴソームに取り込ませる。窒素欠乏条件下での細胞の生存には、Atg39に依存して起こる核周辺小胞体/核のオートファジーが必要である。Atg40はおそらく、哺乳類小胞体のオートファジー受容体であるFAM134Bに機能的に対応するタンパク質であると考えられる。FAM134Bは、感覚神経障害に関係するとされている。これらの結果から、他の生物の「小胞体ファジー」や「核ファジー」の病態生理学的役割やその機構について、重要な手掛かりが得られるだろう。

