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細胞生物学:選択的オートファジーによる小胞体代謝回転の調節

Nature 522, 7556 doi: 10.1038/nature14498

小胞体は最も巨大な細胞内膜系であり、タンパク質や脂質の合成およびイオン恒常性、新規に合成されたタンパク質の品質管理、細胞小器官同士の情報交換を可能にしている。細胞の多様な要求を満たすには小胞体の定常的な代謝回転と調整が必要であり、オートファジーはこうした過程で重要な役割を担っている。しかし、その基盤となっている調節機構は未解明のままであった。今回我々は、FAM134レティキュロン(reticulon)タンパク質ファミリーに属するタンパク質が小胞体に常在する受容体で、オートファジー修飾因子であるLC3およびGABARAPと結合し、オートファジーによる小胞体の分解(「小胞体ファジー」と呼ばれる)を促進することを示す。ヒト細胞でFAM134Bタンパク質の発現を抑制すると小胞体の拡大が引き起こされるが、FAM134Bを過剰発現させると小胞体の断片化とリソソームによる分解が見られるようになる。ヒトで感覚神経障害を引き起こす変異型FAM134Bタンパク質は小胞体ファジーの受容体として機能できない。それと一致して、マウスでFam134bを破壊すると、小胞体の拡大が引き起こされ、小胞体の代謝回転が阻害されて、細胞はストレス誘導性のアポトーシス細胞死を起こしやすくなり、これが感覚神経の変性につながる。それゆえ、FAM134タンパク質を介した選択的小胞体ファジーは哺乳類細胞の恒常性に不可欠であり、マウスとヒトでは小胞体の形態および代謝回転を制御している。

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