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感染症:タンパク質合成を阻害し、複数ステージで作用する新規の抗マラリア薬

Nature 522, 7556 doi: 10.1038/nature14451

マラリアに対しては、治療範囲を広げたり新たに生じている薬物耐性を克服するため、広範な治療可能性と新たな作用機序を持つ新規治療薬が緊急に必要とされている。今回我々は、プラスモジウム(Plasmodium)属原虫の複数の生活環ステージに対して強力かつ新規な作用範囲の抗マラリア活性を持ち、望ましい薬物動態特性と許容できる安全性プロファイルを有する化合物DDD107498の発見を報告する。DDD107498は、単回投与による治療、伝播阻止および化学保護などの多様な臨床ニーズに対応できる可能性を示す。この化合物は、血液ステージのマラリア原虫に対するスクリーニングプログラムから開発されたもので、その分子標的は、メッセンジャーRNAに沿ったリボソームのGTP依存的転位を担っている、タンパク質合成に必須の翻訳伸長因子2(eEF2)であることがすでに明らかになっている。eEF2が抗マラリア薬の標的として有望だとする今回の発見は、創薬の新たな可能性を開くものである。

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