Letter

太陽物理学:太陽大気加熱を駆動する小規模ダイナモ磁場

Nature 522, 7555 doi: 10.1038/nature14478

太陽大気が加熱される仕組みに関する長年にわたって未解決の問題に、さまざまな理論研究が取り組んできた。こうした理論研究では、彩層とコロナを同時に扱う必要があるのと同様に、磁気リコネクションと波に関与する2つの特定の機構の関連性が重視されている。しかし、十分に整合的なモデルはまだ構築されておらず、とりわけ彩層で観測されている高エネルギー現象によって加熱されるコロナプラズマの可能性について議論が続いている。本論文では、静穏太陽内では粒状斑と本質的に関連のある光球面下の流体ダイナモによって磁場が生成されているとする、静穏太陽の加熱のモデル化を報告する。磁場は彩層内へ広がっており、彩層では、磁場エネルギーを解放し音波動を駆動する小規模な爆発によって、観測と一致するような加熱率(4500 W m−2)でプラズマが加熱されていることを我々は見いだした。高エネルギー爆発の一部は、太陽表面から1000万mの高さにすら達するため、極低高度のコロナに影響を及ぼす。垂直方向に弱いネットワークをなす磁場も考慮してモデルを拡張すると、彩層爆発の物理を変えることなくその上にあるコロナを加熱できる機構を作り出すことができる。こうした機構の基礎になるのは、彩層内で発生し、必要とされる300 W m−2というエネルギーフラックスを上方へ運び、やがて散逸するアルヴェン波である。このモデルによって、太陽表面のトポロジカルに複雑な160ガウスの磁場が明らかになった。これは、偏光分光観測、観測されたスピキュールやブリンカーによって確認できる(コロナ加熱に若干貢献している)彩層の特徴、観測された太陽竜巻とおそらく関連している渦から得られた推測と一致している。

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