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神経科学:肯定的な連合と否定的な連合を識別するための回路機構

Nature 520, 7549 doi: 10.1038/nature14366

肯定的な結果と否定的な結果を予期する刺激を識別する能力は生存に極めて重要であり、多くの精神疾患状態の根底には情動処理の乱れがある。扁桃体基底外側複合体(BLA)でのシナプス可塑性が、肯定的な連合記憶と否定的な連合記憶の両方の獲得に関与している。恐怖の連合と報酬の連合については、コードするBLAニューロン群が異なっている可能性があるものの、それぞれのニューロン群を識別する特徴も、肯定的な情動的価値と否定的な情動的価値を区別するシナプス機構もまだ明らかになっていない。今回我々は、BLAニューロンのうち、側坐核に投射するもの(NAc投射ニューロン)と扁桃体内側中心核に投射するもの(CeM投射ニューロン)が、恐怖の条件付けと報酬の条件付けとで相反するシナプス変化を示すことを明らかにする。NAc投射ニューロンを光刺激すると肯定の強化が促され、CeM投射ニューロンを光刺激すると否定の強化につながった。また、CeM投射ニューロンを光抑制すると恐怖条件付けが障害され、報酬条件付けが強化された。これらの機能的に異なるニューロン群の特徴を、電気生理学的、形態学的および遺伝学的な特性を比較することで明らかにした。全体として、扁桃体内部における肯定的な連合および否定的な連合の表現についての機構的な説明が得られた。

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