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細胞生物学:ATG14はオートファゴソームのエンドリソソーム膜への係留と融合を促進する

Nature 520, 7548 doi: 10.1038/nature14147

オートファジーは重要な異化経路の1つで、ヒトの病気に幅広く関わっている。この過程は、細胞質内の積み荷を取り囲む二重膜構造のオートファゴソームが形成されるところから始まり、オートファゴソームがリソソームと融合し、分解が行われて終了する。膜融合活性は、初期のオートファゴソーム形成にも、後期のリソソームでの分解にも必要だが、オートファジーでの膜への係留と融合を調節している中心的な機構はほとんど解明されていない。ATG14はBarkor(beclin-1-associated autophagy-related key regulator)あるいはATG14Lとも呼ばれ、クラスIIIホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ複合体の重要なオートファジー特異的調節因子である。本論文では、ATG14がタンパク質を含まないリポソームの膜への係留を促進し、また標的側(t)-SNARE(soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor)であるシンタキシン17(STX17)とSNAP29、小胞側(v)-SNAREであるVAMP8(vesicle-associated membrane protein 8)とを加えて再構成した、タンパク質を含むプロテオリポソームの半融合と完全な融合を促進することを示す。ATG14は、そのコイルドコイルドメインを介してSTX17のSNAREコアドメインに結合し、オートファゴソーム上にあってSTX17とSNAP29の2成分からなるt-SNARE複合体を安定化する。ATG14が示すSTX17への結合活性と膜係留・融合促進活性には、システイン反復配列を介したATG14のホモオリゴマー化が必要である。ATG14のホモオリゴマー化に欠陥のある細胞では、オートファゴソームは効率よく形成されるものの、エンドリソソームとの融合が起こらない。また、ホモオリゴマー化活性を変化させた組換えATG14変異体でも、in vitroで膜係留を促進したりSNAREを介した融合を増進したりする作用は完全に失われる。まとめるとこれらのデータは、オートファゴソーム上の2成分(STX17–SNAP29)からなるt-SNARE複合体にATG14オリゴマーが直接結合してVAMP8との相互作用を刺激することにより、オートファゴソームとエンドリソソームの融合が促進されるという、オートファジー特異的な膜融合機構を示唆している。

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