Letter
古生物学:南米の始新世霊長類と、新世界ザルのアフリカ起源
Nature 520, 7548 doi: 10.1038/nature14120
霊長類の広鼻猿類(別名「新世界ザル」)は移入哺乳類であり、その化石記録は南米やカリブ海の大アンティル諸島の古第三紀、新第三紀および第四紀の堆積層から得られている。広鼻猿類が出現した年代や場所は霊長類の古生物学において非常に議論の多い問題であるが、霊長類学者の多くは広鼻猿類が古第三紀のアフリカで出現したと考えている。現在のところ、新世界ザルとして最古の化石記録はボリビアのサジャ(Salla)で見つかったもので、その年代は約2600万年前(後期漸新世)とされている。本論文では、ペルーのアマゾン地方で後期始新世と推定される地層から見つかった新たな霊長類の化石について報告する。この発見によって、南米の霊長類化石記録はこれまでより約1000万年さかのぼることになる。これらの新しい標本は、南米の絶滅霊長類と現生霊長類のいずれとも類似点がほとんどないが、始新世のアフリカ産真猿類には極めてよく似ているため、現生の広鼻猿類霊長類の起源と初期進化を解明する上で重要である。また、系統発生解析からも、アフリカ産分類群との類縁関係が示唆された。今回の新しい霊長類化石の発見によって、南米におけるテンジクネズミ類齧歯類と霊長類の最古の出現時期が近づいたが、これら2つの哺乳類群が南米に到達した年代や方法に関して新たな疑問も浮かび上がった。

