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細胞生物学:小胞体–エンドソーム間の接触の繰り返しはエンドソームの移動と神経突起進展を促進する

Nature 520, 7546 doi: 10.1038/nature14359

分泌経路では小胞体、エンドサイトーシス経路ではエンドソームが、それぞれの経路で中心的な役割を担っている細胞小器官であり、この2つの小器官は接触部位を介して連結していて、その数はエンドソームの成熟に伴って増加する。このような接触部位の機能の1つは、エンドソームに取り込まれたシグナル伝達受容体群の細胞質側にある尾部を小胞体関連ホスファターゼの1つによって脱リン酸化できるようになることだが、この他にもマイナス端方向へ進む微小管モータータンパク質であるダイニンとエンドソームの結合を負に制御したり、エンドソームの分裂を仲介したりする働きもしている。これに加えて、こうした部位はコレステロール輸送やCa2+交換にも関わっている可能性が考えられてきた。しかし、小胞体–エンドソーム接触部位の構成や活性、調節については、十分に解明されていない。本研究では、ヒトとラットの細胞株を使って、突起部の形成と神経突起伸展を促進する小胞体タンパク質のprotrudinが、低分子GTPアーゼRAB7とホスファチジルイノシトール 3-リン酸(PtdIns(3)P)の同時検出を介して、後期エンドソーム(LE)に接触部位を形成することを示す。このような接触部位は、微小管モーターのキネシン1を、protrudinからLE上のモーターアダプターFYCO1へ移動させる。LE–小胞体の接触が繰り返し起こることによって、微小管に依存する形でのLEの細胞周辺部への移動が促進され、次いでシナプトタグミンVIIに依存する細胞膜との融合が起こる。このような融合は、突起部や神経突起の伸展を誘導し、これにはprotrudinとFYCO1が、それぞれLEあるいはキネシン1と相互作用できなくてはならない。従って、protrudinを含む小胞体とLEとの接触部位は、キネシン1をLEに結合させ、キネシン1を介してLEを細胞膜へ移動させるための基盤構造であり、このような部位は小胞体との接触の繰り返しによって作り出されて、突起部や神経突起伸展を促進する。

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