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惑星科学:地球と月の組成の類似性は始原的起源である
Nature 520, 7546 doi: 10.1038/nature14333
地球–月系のほとんどの性質は、惑星胚(巨大な衝突天体)と集積過程後期の成長している地球の衝突によって説明することができる。シミュレーションによって、最終的に集積して月を形成する物質の大部分は衝突天体由来であることが示されている。しかし、地球と月の同位体組成の分析は、それらが極めて似ていることを示している。対照的に、太陽系の他の天体の組成は地球や月の組成とかなり異なっていて、太陽系では天体ごとに組成が異なっていることを示唆している。このことから、月を形成した衝突天体の組成も原始地球とは異なっていたに違いないと考えられるので、巨大衝突説に疑問が生じている。本論文では、惑星集積についての一連のシミュレーションで成長する惑星の供給領域を追跡し、月を形成した巨大な衝突天体の組成を見積もった。その結果、同じシミュレーションで形成されたさまざまな惑星の組成はそれぞれ異なるが、巨大な衝突天体の組成は衝突された惑星の組成と統計的により似ていることが分かった。対をなす惑星と衝突天体の大部分の組成はほぼ同一であった。従って、地球と月の組成が似ていることは、後期に起こった巨大衝突の自然な結果である可能性がある。

