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生物工学:黄色ブドウ球菌のCas9を用いたin vivoでのゲノム編集
Nature 520, 7546 doi: 10.1038/nature14299
RNA誘導型のエンドヌクレアーゼCas9は、汎用的なゲノム編集基盤となることが明らかになっている。しかし、一般的に用いられる化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のCas9(SpCas9)はサイズが大きいため、汎用性の高いアデノ随伴ウイルス(AAV)送達担体を用いた基礎研究や治療応用には使えないことが多い。今回我々は、SpCas9より小さいCas9オルソログ6種類の特性解析を行い、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のCas9(SaCas9)が、SpCas9よりも1キロベース以上短いにもかかわらず、同程度の効率でゲノムを編集できることを示す。SaCas9とその単一ガイドRNAを含む発現カセットを単一のAAVベクターに組み込み、マウス肝臓のコレステロール調節遺伝子Pcsk9を標的とした。ベクター注入から1週間以内に、40%を超える遺伝子改変が観察され、それと同時に血清中のPcsk9値や総コレステロール値の大幅な低下が起こった。さらにBLESSを用いて、SaCas9およびSpCas9のゲノム全域での標的特異性を評価し、SaCas9を使ったin vivoでのゲノム編集が効率的かつ特異的となる可能性を示した。

