惑星科学:過去4年間にわたって蓄積した塵の層を放出する67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
Nature 518, 7538 doi: 10.1038/nature14159
彗星は、塵と凍結ガスからできている。氷の層に覆われた、氷を含んだ礫岩か、プレソーラー粒子(太陽系が作られる前から存在していた粒子)の凝集体という形で、氷は難揮発性物質と混ざっている。現在、周期彗星の中に水氷粒子があることは、確認されている。ハートレー第2彗星の核から約10 kmの所で得られた赤外線スペクトルのモデリングからは、より大きな塵粒子は、凝集物の可能性のある微細な水氷粒子から物理的に分離されていることが示されており、これは氷を含んだ礫岩モデルを裏付けている。彗星は塵の地殻を形成し、この地殻がその後、近日点に接近するにつれ放出されることは知られている。地球の成層圏内で集められたマイクロメートルサイズの星間塵粒子やある種の微小隕石は、彗星起源であると考えられている。本論文では、木星族の67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から集められた粒子は、彗星表面での物質放出活動を消失させる塵の地殻由来であることを報告する。直径50μmを超える大きな粒子は、空隙率が50%以上の綿毛状のものであり、多くは標的板に集まった時点で粉々になる。このことは、それらが星間塵粒子サイズの集塊岩であることを示唆している。一般的にそれらの表面はナトリウムに富んでおり、このことから彗星起源の流星物質にナトリウムが多いことが説明される。従って、今までに集められた粒子は、おそらく星間塵粒子の親物質であると考えられる。これは、彗星塵の中心に難揮発性有機物質で包まれたケイ酸塩のコアがあり、さらにそれを水に富んだ氷の混合物が覆っているという考えと矛盾している。前の回帰(軌道周期6.5年)において、彗星の塵生成は太陽から2.5~2.7天文単位の距離で倍増しており、これは中心核が外層を放出したことを示している。外層が一度放出されると、元のままの物質が成長するコマを供給し始め、その塵の成分は劇的に変化し、その後、太陽に接近する他の彗星との遭遇時に検出されるような氷粒子も含むようになる。

