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分子生物学:哺乳類のポリメラーゼθは代替的なNHEJを促進して組換えを抑制する
Nature 518, 7538 doi: 10.1038/nature14157
代替的に使われる非相同末端結合(NHEJ)機構は、数通りのゲノム再編成を促進し、その一部は細胞の形質転換につながることがある。この誤りがちな修復経路は、テロメアの脱保護に際して作動し、染色体末端間の有害な融合形成を促進する。本研究では、次世代塩基配列解読技術を用い、代替的NHEJによる修復が、機能不全テロメアの融合分断点で非TTAGGGヌクレオチドの挿入を起こすことを示す。このランダム挿入を引き起こす酵素活性を調べたところ、ポリメラーゼθ(Polθ;マウスではPolq遺伝子にコードされる)が、哺乳類細胞での代替的NHEJの重要な因子であることが分かった。Polqを阻害すると、機能不全テロメアでの代替的NHEJが抑制され、非テロメア領域における染色体転座が妨げられた。加えて、マウスでのPolq消失は、機能不全テロメアの組換えと二重鎖切断部位へのRAD51集積によって明らかなように、相同性による組換え修復の割合を上昇させることが分かった。また、BRCA遺伝子が欠失している場合には、Polθの枯渇が細胞生存に対して相乗効果を示すことが分かった。これは、この変異誘発性ポリメラーゼの阻害が、相同組換え修復遺伝子に変異がある腫瘍に対する有効な治療手段となる可能性を示唆している。

