Letter
神経科学:グリッド細胞の対称性は環境の形状によって変えられる
Nature 518, 7538 doi: 10.1038/nature14153
グリッド細胞は、非常に規則正しく六角格子状に配列した多数の受容野で発火することで動物の位置を表現する。こうした印象的な規則性が常に見られるところから、グリッド細胞は、ナビゲーションの環境によって変化しない普遍的な位置基準を表わすと考えられるようになった。当初、グリッドパターンの性質は、環境の形状とは無関係と考えられていたため、この考え方がグリッド細胞に関するほとんど全ての理論的モデルに著しい影響を与えてきた。しかし、いくつかの研究で、環境の周縁がグリッドの発火に影響を及ぼすことが報告されている。ただ、その効果の強さや性質、持続性については明らかでない。今回、グリッドの方向や大きさ、対称性や一様性は、周囲環境の形状によって強く永久的に影響を受けることが分かった。我々は、正方形のような極性を持った閉空間では、グリッドパターンは壁に対して方向付けられることを示す。これは、円形の閉空間では起こらない。また、台形のような強い極性を持った環境では、グリッドの六角格子状の対称性が永久的に破れ、パターンはより楕円形で非一様なものになる。この結果は、環境の周縁がグリッド細胞システムの内的構成機構と拮抗して、グリッド細胞の発火を促すことを示す説得力ある証拠だといえる。グリッド細胞の活動は、従来考えられてきたよりももっと局所的で、その結果、全ての環境で普遍的な空間位置基準を提供しているわけではない。

