分子生物学:RNAヘリカーゼDDX21は転写とリボソームRNAプロセシングを協調させる
Nature 518, 7538 doi: 10.1038/nature13923
DEADボックスRNAヘリカーゼはRNAライフサイクルのさまざまな性質の調節に必須だが、このような働きの分子基盤は、特に哺乳類細胞ではほとんど分かっていない。本論文では、DEADボックスRNAヘリカーゼDDX21が、ヒト細胞でRNAポリメラーゼ(Pol)IとIIの両方の転写状態を感知して、リボソーム生合成の複数の段階を制御できることを示す。我々は、DDX21がPol IやPol IIによって転写される遺伝子や多様なRNA種[顕著なのは、リボソームRNA、核小体低分子RNA(snoRNA)や7SK RNAなどのリボ核タンパク質複合体形成に関与する非コードRNA]と広く結合することを明らかにした。このような分子的相互作用は広範囲にわたるが、クロマチンおよびRNAの両方のレベルで、リボソーム遺伝子の調節に著しく高い特異性を示す。核小体では、DDX21は転写されるrDNA座位を占有し、rRNAおよびsnoRNAの両方と直接接触して、rRNAの転写、プロセシングと修飾を促進する。核質では、DDX21は7SK RNAに結合し、7SK核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)複合体の構成要素として、Pol IIにより転写される遺伝子(リボソームタンパク質やsnoRNAをコードする)のプロモーターに集められる。プロモーターに結合したDDX21は、そのヘリカーゼ活性に依存して7SK snRNPからのP-TEFb(positive transcription elongation factor b)の放出を助け、それにより標的遺伝子の転写を促進する。我々の結果は、リボソーム生合成の複数段階でのDDX21の多面的な役割を明らかにし、またRNA修飾とPol II伸長の制御に哺乳類RNAヘリカーゼが関与することを証拠立てている。

