地球:アイスランド・バルダルブンガ火山系のリフト活動における岩脈セグメントの水平方向の成長
Nature 517, 7533 doi: 10.1038/nature14111
多くの発散プレート境界における地殻は主に、長さ数十キロメートルの鉛直のシート状岩脈の貫入によって形成される。リフト活動に関するこれまでのモデルは、岩脈が延びるとともに伝播速度が減少して、供給源から遠く離れた場所で水平方向に岩脈が成長するか、地下の供給源から岩脈に垂直にマグマが流れ込むかのどちらかを示しているが、水平方向の岩脈の進化に対する地形の役割はよく分かっていない。本論文では、バルダルブンガ火山系で最近起きた岩脈セグメントの貫入が、速度を変えながら水平方向に45 km以上成長し、その伝播方向が地形の影響を受けた仕組みを示す。それぞれのセグメントの端にある障壁は岩脈終端の圧力上昇によって乗り越えられ、次に、新しいセグメントが形成されて岩脈の延びは一時的に最大になった。岩脈の進化は、主に14日間にわたって起きており、伝播する地震活動、全球測位システム(GPS)により得られた地殻変動、干渉合成開口レーダー(InSAR)による画像の解析、地溝形成によって明らかになった。岩脈セグメントの走向は、初期のバルダルブンガ・カルデラから放射状に離れる方向から、遠い方の末端部における局所的な応力から予想される方向へと変化している。ひずみエネルギーと重力ポテンシャル・エネルギーを組み合わせて最小化するモデルによって、伝播方向が説明される。岩脈の開口と地震活動は、常に遠方のセグメントに集中しており、バルダルブンガ・カルデラのゆっくりとした崩壊とマグマ供給源の収縮と同時に起き、マグニチュードM > 5の一連の地震を伴っていた。岩脈末端近傍における噴出性の割れ目噴火によって、岩脈の成長が減速した。岩脈末端における圧力上昇によってセグメントの端の障壁が壊れて岩脈が水平方向に成長することで、中央火山下に集中したマグマ上昇が、長い距離にわたって効率的に再分配されて、発散プレート境界で新しい上部地殻を形成する仕組みが説明される。

