Letter

有機化学:触媒を用いたZ選択的交差メタセシス反応による高付加価値アルコールと高酸化状態化合物の合成

Nature 517, 7533 doi: 10.1038/nature14061

オレフィンメタセシス触媒により、医師や生命科学研究者にとって不可欠な分子を手に入れることができる。しかし、以前から問題となっているのは、立体障害の大きい隣接置換基や反応性官能基ユニット(フェノール、アルデヒド、カルボン酸など)を持つ生成物を含めて、非環式Zアリルアルコールを直接生成する化学変換が非常に少ないことである。今回我々は、そうした高付加価値化合物を交差メタセシス反応により合成するのに有効な、電子的に修飾されたルテニウム–ジスルフィド触媒について報告する。このルテニウム錯体触媒は、市販の前駆体と、合成が容易で空気中で安定なカテコチオラート亜鉛から合成される。変換は、概して、周囲条件下で5.0モル%の錯体と安価な反応相手を用いることによって4~8時間のうちに進行し、最高80%の収率と98:2のZ:Eジアステレオ選択性で生成物が得られる。天然抗がん剤ネオペルトリドの合成と、再生可能原料(オレイン酸)から抗真菌剤へのグラム規模の立体選択的単一ステップ変換に、この触媒を使用する例を示す。この変換では、今回の新触媒は、通常使用されるジクロロルテニウム錯体よりも高い効率で交差メタセシス反応を進行させており、新触媒の有用性がZ選択的プロセスにとどまらないことを示唆している。

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