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神経科学:樹状突起分枝全体のカルシウムトランジェントの広がりから予測できる場所受容野の性質
Nature 517, 7533 doi: 10.1038/nature13871
動物の周囲環境を表現する海馬細胞集団が出来上がるには、特定のCA1錐体ニューロンに場所受容野が出現・消失し、活動する細胞集団全体にわたって異なる空間発火特性が獲得される必要がある。こうした発火の可変性と多様性は、空間記憶や注意、課題実行と結び付いているが、これらの場所細胞の性質の起源は、細胞レベルでもネットワークレベルでも未解明である。場所発火の基本的統合発火モデルでは、こうした性質が、場所細胞への異なる入力だけで決まるとされるが、最近の研究では、場所細胞自身が、樹状突起の再生型発火を介して積極的な役割を担うことが示唆されている。しかし、場所細胞の樹状突起から機能的記録を採取することは難しく、樹状突起の再生型発火が実在する直接証拠はなく、場所符号化と関連があるかどうかも不明なままである。今回我々は、仮想空間内でナビゲーションを行っているマウスの海馬のCA1場所細胞について、細胞体・軸索・樹状突起に多層的な二光子カルシウム画像化法を適用し、行動中のマウス場所細胞に、樹状突起の再生型発火が存在すること、そして意外にも、樹状突起分岐全体で見たその広がりは、時空間的に大きく変化することを示す。さらに、こうした発火の広がりから、空間的な精密度や、その場所受容野が維持されるか消去されるかを推定できることが分かった。この結果から、樹状突起分枝全体の発火動態が、海馬の空間表現の形成に重要な役割を持つことが示唆される。

