Letter

天体物理学:太陽の内部温度での予想よりも高かった鉄オパシティーの測定値

Nature 517, 7532 doi: 10.1038/nature14048

恒星物質による輻射の吸収が星内部の温度プロファイルを支配することは、約1世紀前から分かっていた。しかし、恒星内部の条件でのオパシティーの実験室測定は行われたことがなく、恒星モデルに不確かさが生じていた。具体的な問題が生じるのは、より緻密な光球のスペクトル解析で、太陽内部の炭素、窒素、酸素の推定量が30~50%低く見積もられる場合である。修正された元素存在量を使った標準的な太陽モデルは、音響振動を使って太陽の内部構造を決める日震観測と一致していない。これは、太陽内部の物質の実際の平均オパシティーが予想よりも約15%高ければ、元素存在量の減少分をオパシティーの増加で相殺できるため、解決される可能性がある。太陽の輻射層と対流層との境界における全吸収係数の4分の1を、鉄が占めている。本論文では、温度190万~230万 Kおよび電子密度0.7~4.0×1022個/cm3での波長分解された鉄のオパシティー測定を報告する。この条件は、上述の不一致に最も影響を与える太陽内部の領域、つまり輻射層と対流層との境界に類似したものである。測定された波長依存オパシティーは、予想よりも30~400%高い。これは、鉄がオパシティーに寄与する数ある元素の1つでしかないにもかかわらず、太陽での不一致を解消するのに必要な平均オパシティーの変化分の約半分である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度