Letter

生物地球化学:大気中CO2の季節振幅の増大の要因としての農業の緑の革命

Nature 515, 7527 doi: 10.1038/nature13893

大気中の二酸化炭素(CO2)の記録は、著しい季節サイクルを示す。この季節サイクルの原因は、北半球の春季から夏季の生育期における植生の成長とそれに対応するCO2の取り込みの変化と、秋季から冬季のCO2放出の変化である。CO2の季節振幅は過去50年にわたって増大しており、北半球の生物圏活動の増大を示唆している。植生の成長は、最近数十年間で温暖化だけでなくCO2濃度の上昇によっても促進されているという説が提唱されているが、そうした機構では、CO2の季節振幅に観測される拡大の範囲と規模を完全に説明できていない。今回我々は、過去50年間の農業の集約化(交配、灌漑、施肥によって単位面積当たりの作物収量が飛躍的に増大した「緑の革命」)が全球の炭素循環の季節特性を変化させる要因であると提唱する。CO2データの分析と大気逆解析から、1961~2010年のCO2の季節振幅は、10年変動と年々変動による中断はあるが、長期的には着実に15%増大していることが明らかになった。高収量の栽培品種、肥料の使用、灌漑を考慮に入れた陸域炭素循環モデルを用いて、CO2の季節振幅の長期的な増大が、北緯25~60度の中緯度域の耕作地と北緯50~70度の高緯度域の自然植生という2つの主要領域で生じていることが分かった。季節振幅の増大の長期的傾向は年間0.311 ± 0.027%であり、感度実験によって、そのうち45%が土地利用の変化、29%が気候のばらつきと気候変動、26%がCO2の増加による生産性向上によるものとされた。1961~1970年と比較して2001~2010年では、植生の炭素取り込みの中間点で評価すると植生成長が1~2週早まり、生育期のピークである7月の炭素取り込み量が0.5ペタグラム増加していた。このことは、ヒトの土地利用と土地管理が生物圏と大気の間のCO2交換の季節変化に寄与していることを示唆している。

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