細胞生物学:プソイドウリジンのプロファイリングから明らかになった酵母およびヒト細胞での調節されたmRNAプソイドウリジン化
Nature 515, 7525 doi: 10.1038/nature13802
RNAヌクレオシドの転写後修飾は全ての生物で起こる。プソイドウリジンは、非コードRNAに最も豊富に見られる修飾ヌクレオシドで、RNA構造の安定化により、転移RNAやリボソームRNAの機能を高めている。メッセンジャーRNA(mRNA)がプソイドウリジンを含んでいるかどうかは分かっていないが、mRNAの人為的なプソイドウリジン化はその機能に重大な影響を及ぼし、リボソーム暗号解読中心での非標準的な塩基対形成を促進することにより遺伝コードを変化させる。しかし、mRNAのプソイドウリジン化が自然に起こるという証拠はなく、その生理的意義は分かっていなかった。本論文では、単一ヌクレオチド分解能での全ゲノムにわたるプソイドウリジン探索法であるPseudo-seqにより、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)およびヒトのRNAでのプソイドウリジン化の包括的解析について報告する。Pseudo-seqにより、非コードRNAで、既知の修飾部位とともに、多くの新規の修飾部位が正確に突き止められ、さらにmRNAでも数百か所のプソイドウリジン化部位が明らかになった。遺伝学的解析で、新たに見つかった修飾部位の大部分を、7つの保存されたプソイドウリジン合成酵素(Pus1~4、6、7および9)のどれか1つに割り当てることができた。mRNAのプソイドウリジンの大部分が、酵母での栄養枯渇やヒト細胞での血清欠乏といった、環境シグナルに応答して調節されることは重要である。これらの結果は、誘導可能なmRNA修飾による、遺伝コードの迅速かつ調節された改変機構が存在することを示唆している。我々の知見は、プソイドウリジン化の予期せぬ役割を明らかにするもので、プソイドウリジン合成酵素を標的とした治療がヒトの疾患で役立つ可能性を示している。

