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構造生物学:哺乳類呼吸複合体Iの構造
Nature 515, 7525 doi: 10.1038/nature13686
複合体I(NADH-ユビキノンオキシドレダクターゼ)は、哺乳類ミトコンドリアでの酸化的リン酸化に不可欠な複合体で、NADHからユビキノンへの電子伝達を、エネルギー変換に関わるミトコンドリア内膜を通過するプロトンの流れと共役させ、呼吸に電子を供給し、ATP合成を駆動する。哺乳類の複合体Iには、核やミトコンドリアにコードされているサブユニットが44個含まれ、総分子量は1 MDaになる。保存されている14個の「コア」サブユニットについては、最小限の構造を持つ細菌複合体で構造が明らかになっているが、この他の30個の「過剰な」サブユニットの構造と配置は分かっていない。今回我々は、ヒトの複合体Iと近い関係にあるウシ(Bos taurus)心臓のミトコンドリア由来の複合体Iの構造を、低温電子顕微鏡による単粒子解析により5 Å分解能で決定した。8個の鉄–硫黄クラスターと60個の膜貫通ヘリックスが含まれるこの哺乳類コアサブユニットの構造を示すとともに、コア以外の18個の膜貫通ヘリックスを見つけ出し、過剰なサブユニット14個の構造的帰属を明らかにして、モデルを作成した。それによって、哺乳類の複合体Iの構造やコアドメイン周囲にある過剰なサブユニットの配置に関する理解が、大幅に深まった。この構造は、過剰なサブユニットが複合体Iの調節、集合、恒常性に果たす役割についての手掛かりを提供し、ヒトのさまざまな病気の原因となる変異の影響を解明する基盤となるだろう。

