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電気化学:電力網レベルでのエネルギー貯蔵のためのリチウム–アンチモン–鉛液体金属電池

Nature 514, 7522 doi: 10.1038/nature13700

電力網にエネルギーを貯蔵できれば、風力や太陽光などの断続的な再生可能エネルギー技術をベースロード電源に組み込むことが可能になると同時に、効率と信頼性を大きく向上できると思われる。電池は、設置空間が狭くて済み、機械的に単純で、設置場所に融通性があるため、解決策の強力な候補であると長い間考えられてきた。しかし、電池は価格が高いため、広範な採用が妨げられている。今回我々は、定置型エネルギー貯蔵用の性能仕様を満たす可能性のあるリチウム–アンチモン–鉛液体金属電池について報告する。このLi||Sb–Pb電池は、液体リチウム負極と溶融塩電解質と液体アンチモン–鉛合金正極から構成される。2つの金属相とそれらと接する塩が混ざり合わないため、これらの構成要素は密度によって自然分離して3つの異なる層を形成する。この全液体構造の電池には、従来の電池と比較して、電流密度が高く、サイクル寿命が長く、膜やセパレーターが不要なため大型貯蔵システムの製造が容易であるという利点がある。この電池が、450°Cにおいて充放電電流密度275 mA cm−2で充放電を繰り返した際の、クーロン効率は98%、往復エネルギー効率は73%であった。電力供給能力が高い証拠を示すために、1000 mA cm−2という高い電流密度で電池の充放電を行った。1800時間動作(放電深度100%で充放電サイクル450回以上)後の容量低下の測定結果から、10年間毎日充放電を行っても初期容量の85%を超える容量が保持されると見積もられる。今回の結果は、融点の高い高電圧金属(アンチモン)と融点の低い安価な金属(鉛)を合金化することによって、電池電圧を高く維持しながら動作温度を有利に低減できることを実証している。今回の研究結果が望ましいコスト曲線に乗るという事実はさておき、今回の手法は、おそらく他の電池化学にも広く応用できるであろう。

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