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大気化学:中国の煙霧事象における粒子状物質汚染への二次エアロゾルの高い寄与

Nature 514, 7521 doi: 10.1038/nature13774

発展途上国では、急速な工業化と都市化によって大気汚染が悪化しており、先進国が過去に経験したのと似た道筋をたどっている。中国では、粒子状物質汚染が、大気の質、地域気候と全球的気候、ヒトの健康に影響を与える深刻な環境問題になっている。2013年の第一四半期に約8億の人々が経験した深刻かつ持続的な煙霧汚染に対応して、中国国務院は、PM2.5(空気動力学的直径が2.5 μm未満の粒子状物質)の濃度を、2017年までに2012年比で最大25%減少させるという目標を発表した。しかし、このような取り組みには、PM2.5の存在量や組成を支配する要因の解明が必要であるが、中国ではまだ十分に絞り込まれていない。今回我々は、広範囲にわたる新しい最先端のオフライン分析法と統計的手法を組み合わせて、2013年1月の北京、上海、広州、西安の都市部の粒子状物質の化学的性質と発生源を調べた。我々は、深刻な煙霧汚染事象の大部分が、二次エアロゾルの形成によって生じ、4都市平均でPM2.5の30~77%、有機エアロゾルの44~71%に寄与していたことを見いだしている。平均すると、二次有機エアロゾル(SOA)の寄与と二次無機エアロゾル(SIA)の寄与は同程度に重要あることが分かった(SOA/SIA比の範囲は0.6~1.4)。今回の結果は、一次粒子状物質の排出量削減に加えて、化石燃料の燃焼やバイオマス燃焼などからの二次エアロゾル前駆物質の排出量削減が、中国のPM2.5濃度を制御し、粒子状物質汚染がもたらす環境、経済、健康への影響を緩和するのに重要である可能性が高いことを示唆している。

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