Letter
物性物理学:WTe2の大きな不飽和磁気抵抗
Nature 514, 7521 doi: 10.1038/nature13763
磁気抵抗は、印加磁場に応答して起こる物質の電気抵抗変化である。大きな磁気抵抗を持つ物質は、磁気センサー、磁気メモリー、ハードドライブに室温での用途が見いだされており、こうした物質希少性は、低温における材料物理学の分野で多くの基礎研究のきっかけとなった。本論文では、非磁性の層状遷移金属ジカルコゲナイドWTe2において極めて大きな正の磁気抵抗を低温で観測したことを報告する。この磁気抵抗は、14.7テスラの磁場中において4.5 Kで45万2700%、60テスラの磁場中において0.53 Kで1300万%であった。他の物質とは対照的に、非常に高い印加磁場でもこの磁気抵抗値は飽和しなかった。この効果の起源とそこから得られる結果を確定し、WTe2の極めて大きい正の磁気抵抗を利用した薄膜、ナノ構造体、デバイスを作製すれば、磁気抵抗の研究に重要な新しい方向が示されるであろう。

