Letter

気候:陸域生態系における炭素の回転時間と気候の全球的な共変動

Nature 514, 7521 doi: 10.1038/nature13731

気候変動に対する陸域の炭素循環の応答は、将来の気候変動の予測に影響を与える最も大きな不確定要因の1つである。陸域の炭素循環と気候の相互作用の一部は、陸域生態系における炭素の回転時間の変化で決まり、その回転時間は気候と土壌と植生の種類の相互作用によって現れる生態系の性質である。本論文では、植生と土壌有機炭素の貯留とフラックスの新たな見積もりを組み合わせた、観測に基づく空間的に明確な全生態系の炭素回転時間の全球的評価を示す。我々は、全球の炭素回転時間の全体平均は23+7−4年(95%信頼区間)であることを見いだした。平均的には、炭素が植生や土壌に滞留する時間は、赤道付近では、北緯75度以北の緯度域よりも短い(それぞれの平均回転時間は15年と255年)。我々は、気温が生態系のダイナミクスを支配しているという現在の理解から予想されるように、回転時間が気温に明確に依存していることを確認した。意外なことに、今回の解析から、回転時間と降水の間に同様の強い関連性があることも明らかになった。さらに、最新の気候–炭素循環結合モデルでシミュレートした生態系の回転時間はばらつきが大きく、数値シミュレーションは全球の炭素回転時間を平均して36%過小評価する傾向があることを見いだした。こうしたモデルでは、観測に基づく見積もりよりも強い気温との空間的な関連性が示されるが、一般的に降水との強い関連性は再現されず、半乾燥地域の多くでより速い炭素動態が予測されている。これらの知見から、将来の気候–炭素循環フィードバックは、現在予想されており地球システムモデルにおいて考慮されているよりも強く水循環の変化に依存する可能性があることが示唆される。

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