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免疫:インターロイキン22は糖尿病での代謝異常を軽減し、粘膜免疫を回復させる

Nature 514, 7521 doi: 10.1038/nature13564

腸内微生物相の変化と、肥満や糖尿病などの代謝異常、それに心血管疾患の間の関連はよく立証されている。粘膜障壁の完全性保持に異常が生じると、全身性の内毒素血症が発症して、これが軽度の慢性的炎症を引き起こし、さらにメタボリックシンドロームの発症を促進することがある。インターロイキン(IL)22は、腸内での抗菌免疫誘導や粘膜障壁の完全性維持に重要な役割を果たしている。本論文では、IL-22と代謝異常の間の関連について調べた。肥満マウスでは、さまざまな免疫原を投与した場合の自然リンパ球やCD4+ T細胞からのIL-22の誘導が障害されていて、特に病原性大腸菌のCitrobacter rodentiumに感染させた肥満マウスの結腸では障害が著しいことが分かった。肥満マウスでは、自然リンパ球集団はほぼ無傷状態にあるが、IL-22の上流で働くサイトカインであるIL-23では、感染の際に起こる上方制御が障害されている。その結果、肥満マウスはC. rodentium感染に感受性となるが、外因性のIL-22およびIL-23は共に宿主の粘膜防御を回復できる。さらに、代謝調節におけるIL-22の予想外の機能が明らかになったことは重要である。IL-22受容体を欠損するマウスでは、高脂肪食を与えた場合に代謝異常が発症しやすい。意外にも、遺伝学的肥満のレプチン受容体欠損(db/db)マウス、および高脂肪食を与えたマウスに外因性IL-22を投与すると、高血糖やインスリン抵抗性などの代謝症状の多くが回復する。IL-22は、インスリン感受性の改善、腸の粘膜障壁や内分泌機能の維持、内毒素血症や慢性炎症の軽減に加えて、肝臓や脂肪組織での脂質代謝を調節するため、代謝にさまざまな良い影響を及ぼす。まとめると、これらの結果は、IL-22経路が代謝疾患における治療的介入の新規標的であることを明らかにしている。

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