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構造生物学:Lin28–let-7経路におけるDis3l2の基質認識機構

Nature 514, 7521 doi: 10.1038/nature13553

多能性因子Lin28は、哺乳類のlet-7ファミリーのマイクロRNAの生合成を阻害する。Lin28は胚性幹細胞で高度に発現しており、発生、グルコース代謝、組織再生の調節に重要な役割を果たしている。Lin28の過剰な発現は、さまざまながんの発生と関連がある一方、let-7は腫瘍抑制因子であり、ヒトのいくつかのがん遺伝子を抑制する。Lin28は、let-7前駆体(pre-let-7)のヘアピンに結合し、TUT4、TUT7の3′-オリゴウリジル化活性を誘発する。pre-let-7に付加されたオリゴU尾部は分解のシグナルとして働き、pre-let-7はRNAエキソソーム触媒サブユニットの相同体であるDis3l2によって、迅速に分解される。TUT4とTUT7がLin-28の仲介によってpre-let-7へと誘導され、その後pre-let-7がDis3l2によって分解される分子基盤はほとんど解明されていない。Dis3l2の基質認識機構を調べるため、pre-let-7のウリジル化尾部を模倣したオリゴU RNAと複合体形成したマウスDis3l2の構造を決定した。3個のRNA結合ドメインが触媒ドメインの1つの面で上向きの漏斗を形作ることにより、RNAはエキソソームの場合とは違った経路を通って活性部位へと移動できるようになる。この経路には、オリゴU尾部を持つRNAの最初の12ヌクレオチドにまたがるウラシル特異的相互結合の大きなネットワークがあることが分かった。今回明らかになった3か所のU特異性領域により、Lin28–let-7経路の最終段階でDis3l2がウリジル化pre-let-7を認識、結合、分解する仕組みを説明できる。

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