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宇宙:GRAIL重力データによって明らかにされた月のプロセラルム領域の構造と進化

Nature 514, 7520 doi: 10.1038/nature13697

プロセラルム領域は、低い標高、薄い地殻、熱源元素であるウラン、トリウム、カリウムの高い表面濃度を特徴とする月の表側にある広大な盆地である。その領域は直径約3200 kmの古い衝突盆地であると解釈されているが、これを裏付ける月表面の証拠は、非常に古くて、特徴的な地形がほとんど保存されていないことからかなり不鮮明になっている。今回我々は、GRAIL(Gravity Recovery and Interior Laboratory)ミッションからのデータを使って、プロセラルムの地下構造を調べた。ブーゲー重力異常と重力勾配から、プロセラルム領域を縁取り、溶岩で満ちていた亀裂の凍った残存物や、表側の海にある火山の多くへのマグマ供給系として働いていた地下の給源岩脈であると解釈される幅の狭い直線状の異常パターンが明らかになった。今まで衝突盆地の縁の残存物であると解釈されていた不連続な表面構造は、GRAILデータによって、複数の角度交差を持った準長方形状の切れ目のない縁構造の一部であることが示され、衝突盆地の円形や楕円形という予想に反するものである。プロセラルム領域を縁取るマグマテクトニック構造の空間パターンは、プロセラルム領域における平均以上の熱フラックスで駆動されるマグマ活動と相まって、その周辺地域との相対的な示差冷却によって生成された熱応力に応答して形成されたという描像と一致する。

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