免疫:RIPK1は上皮をアポトーシスから保護することによって腸の恒常性を確保する
Nature 513, 7516 doi: 10.1038/nature13706
RIPK1(receptor interacting protein kinase 1)は、デス受容体およびパターン認識受容体によって誘導されるシグナル伝達に必須の役割を担っている。RIPK1はノード(集合点)として働いて、NF-κBが仲介する細胞生存や炎症だけでなく、カスパーゼ8(CASP8)に依存するアポトーシスもしくはRIPK3/MLKL依存性ネクロトーシスによる細胞死をも駆動すると考えられている。この二重の機能の生理的関連性は、RIPK1フルノックアウトマウスが周産期に死亡してしまうために明らかになっていない。我々は周産期死亡という問題を回避するためにRIPK1の条件的ノックアウトマウスを作製し、腸上皮細胞(IEC)がRIPK1を欠損するマウスは、IECのアポトーシスに関連して重篤な腸の炎症を自然発症し、早期死亡することを明らかにする。早期に見られるこのような致死性は、抗生物質投与、MYD88欠損もしくは腫瘍壊死因子(TNF)受容体1の欠損によって救済されるので、IEC Ripk1ノックアウト表現型では共生細菌とTNFが重要であることが実証された。CASP8欠損はこの炎症性表現型を完全に回復させるが、RIPK3欠損では回復が見られないことは、RIPK1が腸でのCASP8依存性アポトーシスの抑制には不可欠な役割を担うが、RIPK3依存的ネクロトーシス抑制には必要でないことを示している。RIPK1キナーゼ活性を欠損するノックインマウスは炎症の兆候を全く示さなかったので、RIPK1を介した防御はRIPK1のキナーゼ非依存的なプラットフォーム形成機能によっていると考えられる。腸のオルガノイド培養でのRIPK1の除去は、TNF誘導性アポトーシスに対する感受性を高めたので、in vivoでの知見が裏付けられた。意外にも、TNFが仲介するNF-κB活性化は、このようなオルガノイドでも正常であった。我々の結果は、RIPK1がIECの生存に不可欠であり、CASP8を介したIECアポトーシスから上皮を守ることによって上皮恒常性を確保しており、この働きはキナーゼ活性およびNF-κB活性化とは無関係であることを実証している。

