気候:気候変動に対する平均降雪量と極端な降雪量の対照的な応答
Nature 512, 7515 doi: 10.1038/nature13625
降雪は気候システムの重要な要素であり、温暖化する気候において変化すると予想されている。豪雪は経済的影響と人的影響が特に大きいため、平均降雪量と降雪強度分布は共に重要である。気候モデルを用いたシミュレーションによって、年平均降雪量は大部分の地域で温暖化とともに減少するが、地表気温が非常に低い地域では増加することが示されている。しかし、気候変動に対する豪雪の応答はよく分かっていない。本論文では、温室効果ガス排出量が多いシナリオの下で行ったシミュレーションにおいて、北半球の陸域の多くで21世紀末までの分数変化率は、極端な日降雪量が平均降雪量より小さいことを示す。例えば、月平均の気候学的気温が氷点より低く、地表高度が1,000 mより低い場合、平均降雪量が65%減少するのと比べると、99.99パーセンタイルの日降雪量は、複数モデルの中央値で8%減少する。十分大きく温暖化していれば、平均降雪量と極端な降雪量の両方が減少するはずであるが、今回のシミュレーションでは、温暖化に伴って極端な降雪量が減少する気候学的気温の下限は−9°Cであるのに対して、平均降雪量では−14°Cである。これらの結果は、観測された雨から雪への遷移と一致する物理学に基づく理論によって裏付けられている。この理論によれば、極端な降雪量は気候温暖化に対して敏感でない最適な気温付近で生じるため、高いパーセンタイルの日降雪量では分数変化率が小さくなる。シミュレートされた降雪量に見いだされた変化は、積雪とその危険性に影響を与えると考えられる。さらに、こうした変化からは、極端な降雪量に地域的な気候変動の兆候を見いだすことが難しい可能性も示唆される。

