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細胞生物学:Get1/2膜貫通複合体は小胞体膜へのタンパク質の挿入を行う酵素である

Nature 512, 7515 doi: 10.1038/nature13471

小胞の融合に関与する可溶性のSNARE(N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment receptor)などの数百もの尾部係留型タンパク質は、専用のタンパク質ターゲッティング経路の働きによって翻訳後に小胞体膜へと挿入される。細胞質内にある、挿入される前の尾部係留型タンパク質カルボキシ末端膜貫通ドメインは、保存されたターゲッティング因子Get3(酵母の場合;哺乳類ではTRC40)によって保護されている。小胞体のGet3受容体はGet1/2(WRB/CAML)膜貫通複合体の細胞質ドメインで構成され、これらがターゲッティング因子Get3にそれぞれ結合してコンホメーション変化を誘発し、それによって基質が遊離して、その結果膜への挿入が行われる。尾部係留型タンパク質の挿入の際には、親水性のタンパク質配列が膜内で大きく移動することがないため、Get1/2の細胞質ドメインだけでGet3を小胞体の脂質二重層の近傍に引き寄せて自発的挿入を起こすのに十分である可能性がある。今回我々は、細胞レポーターと生化学的再構成法を使って、Get1/2膜貫通ドメインの変異で、Get1/2細胞質ドメインの機能には影響しないのに、尾部係留型タンパク質の挿入は起こらなくなるものを見つけだした。このような変異によって、Get1/2の新規な膜挿入酵素としての機能が明らかになった。この酵素機能がないと、基質は脂質二重層の近くに引き寄せられてもGet3に結合したままになり、そうすると、膜貫通ドメインの自発的挿入という考え方は不合理な推論となる。Get1/2膜貫通ドメインは、基質の膜貫通ドメインを捕捉することで、Get3からの基質の遊離を助けている。膜貫通部のこうした相互作用から、尾部係留部分の脂質二重層への進入を促進する経路にある挿入直前の真の中間体が明確になった。今回の研究は、飜訳と同時に起こる小胞体膜へのタンパク質ターゲッティングや挿入と、翻訳後に起こるターゲッティングや挿入との根本的な一致点を明らかにしている。すなわち、ターゲッティング因子の基質保護機能を低下させる機序によって、小胞体膜内部に埋め込まれた膜貫通ドメイン係留部位への基質の受け渡しが可能になるのである。

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