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植物科学:拡散的相互作用による耐性多型の長期維持

Nature 512, 7515 doi: 10.1038/nature13439

植物の耐性(R)遺伝子群は、病原体に対する防御の重要な構成要素である。R遺伝子群は、農作物については長期間にわたる耐性を付与できないことが多いが、自然状態では、長期間維持される平衡多型として存続していることが多い。通常の理論では、そのような多型の維持は、密接に結び付いて共進化する宿主–病原体対での耐性と毒性のコストと利益のバランスによって説明される。しかし、植物–病原体間の相互作用の多くにはそのような特異性がない。特異性なしに広く相互作用するような種においても平衡多型が維持されるのかどうか、また維持されるとしたらその仕組みがどのようなものなのかは分かっていない。我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)と、この植物の条件性病原菌であるPseudomonas syringaeで、自然に相互作用しているR遺伝子とエフェクターの対を明らかにした。R遺伝子であるRPS5にコードされるタンパク質はAvrPphBホモログ(AvrPphB2)を認識し、また、200万年以上維持されている平衡多型が存在する。このR遺伝子は、太古からの平衡多型の存在と一致して、植物がavrPphB2を持つP. syringaeに感染した場合には利益をもたらすが、感染していない場合は大きなコストを招く。RPS5対立遺伝子群は、集団中に全体として中程度の頻度で維持されており、これは耐性について広く一般的な選択が行われていることを示唆している。しかし、avrPphBを持つP. syringaeの存在は、このRPS5多型の説明として十分ではないと考えられる。その第一の理由は、avrPphBホモログの頻度がシロイヌナズナで見いだされるP. syringae集団では非常に低いこと、第二は、AvrPphBは、シロイヌナズナに感染しているP. syringaeに毒性による利益をごくまれにしかもたらさないことである。その代わりに、RPS5に対する選択には、複数の非相同エフェクターおよび複数の病原体種が関わっていることの証拠が見つかった。これらの結果およびこれに関連するモデルは、シロイヌナズナでのR遺伝子多型が、単一の共進化したR遺伝子・エフェクター対が関わる密接に結び付いた相互作用により維持されるのではない可能性を示唆している。安定な多型は、複雑で散漫な群集規模の相互作用によって維持されている可能性が高い。

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