Letter

生物地球化学:西南極氷床下に存在する微生物生態系

Nature 512, 7514 doi: 10.1038/nature13667

南極の氷床の下に液体の水が存在することは40年以上も前から知られているが、氷床下のこうした水系環境が、全球規模の生物地球化学的変化に影響を及ぼす可能性のある微生物生態系だと認識されるようになったのは、ごく最近である。本論文では、南極の氷底湖から直接採取した水と表層堆積物の初めての地球微生物学的解析について報告する。ウィランズ氷底湖(SLW)は西南極のウィランズ氷流(WIS)の下部、深さ約800 mの所にあり、発展しつつある大規模な氷河下排水網の一部となっている。SLWの水柱は、代謝的に活性な微生物を含んでおり、主として氷河の融解水由来であり、溶質の供給源は風化による陸起源物質と微量の海水成分であった。従属栄養性および独立栄養性の生産データ、リボソーム小サブユニットRNA遺伝子の塩基配列解読、および生物地球化学データを総合すると、SLWは、細菌と古細菌からなる多様性に富む群集が生息する、化学合成を基盤とする生態系であることが分かる。これらの結果によって、南極氷床下の水生環境が微生物生態系の存続を支えていることが確認された。また、こうした環境には地球全体に影響を与えるほどの炭素プールと微生物プールがあり、これらのプールはリソスフェアから元素を動員して南大洋の地球化学系や生物系に影響を及ぼし得るとする、以前の報告が裏付けられた。

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