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化学生物学:プロトン共役型亜鉛(II)輸送を駆動する動力学的作動行程の可視化

Nature 512, 7512 doi: 10.1038/nature13382

プロトン勾配は呼吸依存性の能動輸送の主要なエネルギー源だが、プロトン共役型輸送過程の構造的機構はよく分かっていない。YiiPは大腸菌(Escherichia coli)の細胞膜にあるプロトン共役型亜鉛輸送体である。その輸送部位は、輸送体の疎水性環境に接近できる水分子からプロトンを受け取り、内部のプロトン勾配のエネルギーを変換して亜鉛(II)搬出を駆動する。この膜タンパク質は、全ての系統発生レベルで見られる陽イオン拡散促進因子ファミリーのメンバーで、特性がよく調べられている。今回我々は、YiiPのX線によるヒドロキシラジカル標識と質量分析法を用いて、亜鉛(II)の結合が、輸送部位およびその近傍の疎水性ゲートへの水分子の接近可能性に、局在性が非常に高い「全か無か」型の変化を引き起こすことを示す。動態をミリ秒時間分解能で観察すると、膜貫通へリックスに沿って水分子の接近性が協調的で相反的なパターンで変化することが明らかになった。これから、亜鉛(II)結合と関連して、剛体であるヘリックスの方向が変わり、疎水性ゲートの閉鎖を引き起すと考えられる。輸送部位への水の接近が制御されていることで、静止プロトン勾配が、亜鉛結合エネルギーを、方向性を持った亜鉛輸送の動力学的作動へと変換しやすくなる。このような動力学的詳細が明らかになったことで、プロトン共役型能動輸送反応についてエネルギー論的手がかりが得られる。

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