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細胞:ヒト多能性細胞の再プログラム化機構に起因する異常

Nature 511, 7508 doi: 10.1038/nature13551

ヒト多能性幹細胞は再生医療を実現する可能性を持つが、利用可能な細胞種はかなり限定されている。標準とされるのは、体外受精(IVF)胚に由来する胚性幹(ES)細胞(IVF ES細胞)であるが、患者にとっては同種異系である。自己の誘導多能性幹(iPS)細胞は、エピジェネティクスおよび転写に異常が見られる傾向がある。そのような異常が、体細胞再プログラム化に固有のものであるのか、あるいは再プログラム化法から派生するものであるのかを決定するために、遺伝学的にマッチした3種類のヒト細胞のセット、すなわち、IVF ES細胞、iPS細胞、体細胞核移植(SCNT)による核移植ES細胞(NT ES細胞)について全ゲノム解析を行った。遺伝的に同一の体細胞に由来するNT ES細胞とiPS細胞はどちらも、同程度の数のde novoコピー数多型を含んでいた。対照的に、NT ES細胞のDNAメチル化およびトランスクリプトームのプロファイルはIVF ES細胞とほぼ一致したが、iPS細胞はこれらとは異なっており、親の体細胞に典型的なDNAメチル化パターンが残存していた。このように、ヒト体細胞はSCNTによって多能性状態へと忠実に再プログラム化でき、従って、この手法によって作製された多能性幹細胞は細胞補充療法に理想的である。

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