Letter

行動経済学:未来の世代との協力

Nature 511, 7508 doi: 10.1038/nature13530

今日の再生可能資源の乱開発は、次世代の幸福にとって大きな負担となる。しかし、他の公共財ゲームとは異なり、次世代の人々は今日とられる行動に返礼や報復をすることができない。未来の世代との協力を維持できるのは、どのような機序によるのだろうか。この問いに答えるため、我々は新しい実験パラダイム「世代間財ゲーム」を考案した。連続する複数のグループ(世代)のそれぞれは、資源を引き出して枯渇させることも、何かを次のグループに残しておくこともできる。資源を使い尽くすことは現世代の利得を最大にするが、未来の全ての世代には何も残らなくなる。本論文では、資源の引き出しの意思決定が個人的に行われれば、資源はほぼ例外なく破壊されることを明らかにする。このように未来の世代との協力が行われないのは主に、持続可能性をはるかに超えて引き出しを行う少数の個人の存在に起因する。対照的に、資源の引き出しが投票によって民主的に決定される場合は、資源が常に維持される。投票が効果的であるのは2つの理由による。第一は、多数派の協力者が離反者を抑えられるようになること。第二は、自分たちの努力が無駄にはならないと、条件的協力者に納得してもらえることである。しかし、投票が持続可能性を増進するのは、それが関係者全てに対して拘束力を持つ場合に限られる。今回の結果は、世代間公共財を持続させるために立案される政策介入に意味を持つものである。

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