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免疫:耐病性防御経路を制御するアリール炭化水素受容体
Nature 511, 7508 doi: 10.1038/nature13323
耐病性は、感染が宿主の健康に及ぼす影響を低減する宿主能力である。耐病性経路の解析は、感染症などの炎症性疾患を治療するための新しい手法を提供する可能性がある。通常、細菌のリポ多糖(LPS)への初回曝露は、次回以降のLPS投与に不応答の状態(エンドトキシン耐性)を誘導する。我々は、マウスへのLPSの初回曝露が、リガンド依存性転写因子であるアリール炭化水素受容体(AhR)と、肝臓の酵素でAhRを活性化するリガンドを提供するトリプトファン 2,3-ジオキシゲナーゼを活性化して、初期炎症遺伝子の発現を下方制御することを見いだした。しかし、LPSを再度投与した場合には、AhRはインドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)の存在下でのみ、全身性炎症の長期調節に関与した。AhR複合体に見られるSrcキナーゼ活性は、IDO1のリン酸化およびシグナル伝達能を促進した。その結果生じたエンドトキシン耐性状態は、グラム陰性およびグラム陽性細菌への感染による免疫病理学的変化からマウスを防御することが分かった。このことから宿主の健康へ寄与するAhRの役割が示された。

