Letter
物理学:低温原子を使ったニュートン重力定数の高精度測定
Nature 510, 7506 doi: 10.1038/nature13433
これまで、ニュートンの重力定数Gの値を決定しようと約300例の実験が行われたが、それらの結果に大きい食い違いがあるため、その値を正確に知ることが不可能になっている。重力相互作用は弱く、また重力の効果は遮蔽できないため、系統的な効果を制御しながらGを測定するのは非常に難しくなる。これまで行われた実験の大部分は、1798年のキャベンディッシュの実験のように、ねじり振り子法かねじり天秤法に基づいており、いずれの場合も巨視的な質量が使われた。本論文では、レーザー冷却原子と量子干渉法を使って、Gを高精度に測定した結果を報告する。我々は、G = 6.67191(99) × 10−11 m3 kg−1 s−2の値を得た。相対不確かさは150 ppm(合成標準不確かさは括弧の中に与えた)である。我々の値は、科学技術データ委員会(CODATA)の最近の推奨値から1.5合成標準偏差だけ異なる。我々の実験のように概念的に異なる実験は、これまでの実験で捉えにくいことが証明されている系統誤差を同定し、Gの値の確かさを改善するのに役立つ。Gと他の基礎定数との間には確定した関係はなく、実験結果の検証のために比較できる、Gの値に関する理論予測もない。 我々がGを知る精度を改善するのは、純粋に度量衡学的な興味があるということだけでなく、Gが重力や宇宙論、素粒子物理学、天体物理学の理論や地球物理学モデルで基本的な役割を果たすため重要だからである。

