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物理学:2個の離れたイオンの2個の束縛電子の間の磁気相互作用の測定
Nature 510, 7505 doi: 10.1038/nature13403
電子は、内部角運動量(スピン)にそろった不可分の固有磁気双極子を持つ。従って、2つの電子スピン間の磁気相互作用により、スピン配向が変化し得る。同様の双極子磁気相互作用が他のスピン系の間に存在し、実験的に調べられている。例として、電子と原子核の相互作用や、いくつかの多電子スピン複合体間での相互作用がある。2個の電子に関するそうした磁気相互作用を観測する際の課題は、2つの要素からなる。第一に、結合が比較的大きい原子スケールでは、はるかに大きいクーロン交換相互作用に支配されることが多いこと、第二に、原子スケールよりかなり大きいスケールでは、磁気結合が非常に弱く、周囲の磁気ノイズよりはるかに小さい可能性があることである。今回我々は、電気的なパウルトラップに共に捕捉された2個の88Sr+イオンの基底状態の2個のスピン-1/2価電子間の磁気相互作用の測定について報告する。我々は、イオン間距離dを2.18~2.76 μmの間で変化させ、電子が互いに与える磁場より6桁大きい磁気ノイズの存在下で、ミリヘルツスケールの弱い磁気相互作用を、距離の関数として測定した。協同的スピンダイナミクスは15秒間コヒーレントに保たれ、その間スピンもつれが生成された。これは、もつれスワッピングの検証に関する−0.16という負の測定値から確認された。この測定に必要な感度は、スピンの発展を、集団的磁場ノイズの影響を受けないデコヒーレンスフリーな部分空間に制限することによって得られた。今回の測定結果は、結合に関して逆3乗則に一致するd−3.0(4)距離依存性を示している。

