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構造生物学:真核生物のレプリソームでは、Ctf4三量体がCMGヘリカーゼとDNAポリメラーゼαを共役させる

Nature 510, 7504 doi: 10.1038/nature13234

ゲノムが効率よく複製されるには、複製装置が動かなくなってゲノムの不安定性を招くことがないように、複製フォークでヘリカーゼとDNAポリメラーゼが協調して働く必要がある。真核生物では、ヘリカーゼとDNAポリメラーゼの物理的結合についてはほとんど解明されていない。今回我々は、酵母のレプリソーム中で、Ctf4タンパク質がCdc45–MCM–GINS(CMG)DNAヘリカーゼをDNAポリメラーゼα(Pol α)に結び付けている分子機構を明らかにした。X線結晶解析と電子顕微鏡法により、Ctf4タンパク質が自己集合して、恒常的に円盤形の三量体を形成していることが分かった。三量体形成には、このタンパク質のカルボキシ末端側半分にあるβ-プロペラドメインが必要で、これに融合したヘリックス部分が円盤形三量体の片面から突き出している。重要なのは、Pol αとCMGヘリカーゼとで、Ctf4に結合する仕組みが共通していることである。すなわち、Pol αの触媒サブユニットとGINSのSld5サブユニットのアミノ末端尾部には保存されたCtf4結合モチーフが含まれ、これが三量体中のCtf4プロトマーから突き出したヘリックス部分に結合することが分かった。これにより、1個のCtf4三量体が最大3個のパートナータンパク質と結合でき、Pol αとGINSの両方と同時に結合し得ることが実証された。これらの知見から、レプリソーム中でCtf4が2分子のPol αを1個のCMGヘリカーゼに連結し得ることが示され、真核生物のラギング鎖合成の新しいモデルが得られた。このモデルは、大腸菌(Escherichia coli)のもっと単純なレプリソームについて最近提案されているモデルに似ている。Ctf4が多価結合のプラットフォームとして働き得ることで、複製フォークで共同作業する多数の因子が同時に動員される仕組みが説明される。

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