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分子生物学:減数分裂では相同染色体の結合がDNA切断の数と分布を制御する

Nature 510, 7504 doi: 10.1038/nature13120

減数分裂に際して起こる組換えは、相同染色体の対合と分離を促進するとともに遺伝的多様性を増大させるが、組換えを開始させる二本鎖切断(DSB)は、変異や減数分裂の失敗の原因ともなり得る危険な過程である。細胞がDSBを制御して、有用な作用と有害な作用のバランスをとる仕組みはよく分かっていない。今回我々は、DSBの制御に、交差する複数の負の調節回路からなるネットワークが関わっているという仮説を検証した。複数の相補的な手法を用いることで、ZMMタンパク質を持たない出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)ではDSBの数が増えることが明らかになった。ZMMは一群の組換え促進因子で、従来はDSB形成の下流でのみ作用すると考えられていた。ZMMに依存したDSB制御は、切断形成と減数分裂の進行とをNdt80転写因子を介して結び付ける経路とは、遺伝学的に異なっている。これらの直観に反した知見は、互いにうまく結合し終えた相同染色体が切断形成を停止させることを示唆している。全ゲノムDSB地図から、染色体内の領域によって、ZMMの変異であるzip3(別名cst9)に対する応答が異なることが明らかになり、DSB密度が染色体サイズに応じて異なるという従来説明できていなかった傾向のためには、Zip3が必要なことも分かった。このように、ZMM機能と関係するフィードバック機構は、組換えの空間的パターン形成に予想外の方式で関わっている。

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