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がん:中心体増幅によるがん遺伝子様の細胞浸潤の誘導

Nature 510, 7503 doi: 10.1038/nature13277

中心体の増幅は、ヒトのがんの特徴であると長らく考えられてきたが、腫瘍形成におけるその役割については分かっていない。形質転換していない細胞での中心体の増幅は耐性が低く、選択が起きなければ、過剰な中心体は自然に消失する。従って、中心体増幅が高頻度に起き、特に悪性度の高い腫瘍ではそれが著しいことから、過剰な中心体が特定の状況で腫瘍のプログレッション促進に有利な特性をもたらす可能性が考えられる。我々は、三次元モデル系などの手法を用いてヒトの乳房上皮細胞を培養し、中心体増幅が細胞浸潤を誘発することを見いだした。この浸潤性の挙動は、乳がんのがん遺伝子ERBB2の過剰発現によって誘発されるものと類似しており、実際に、ERBB2により引き起こされる浸潤性を亢進させた。我々のデータは、中心体増幅は中心体微小管核形成の増加を介してRac1活性を高め、これにより正常な細胞間接着が破壊され、浸潤が促されることを示す。以上の結果は、中心体増幅、すなわち細胞骨格の構造変化が、悪性形質転換の特性を促進し得ることを示している。

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